乾癬とアトピー性皮膚炎の違い「症状・原因・治療方法」

アトピー性皮膚炎と似た症状の一つに乾癬があります。乾癬は慢性的に皮膚の角化異常を引き起こす皮膚疾患です。

患者数も増加傾向にあり、この症状に悩むヒトは1000人に一人の割合だといわれています。

乾癬とは?

乾癬は皮膚が慢性的に角化異常を引き起こす皮膚病です。人種的な差があることなどから遺伝的な影響や、なんらかの原因による免疫異常によって引き起こされると考えられています。

乾癬の種類

  • 尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん) ・・・乾癬では最も患者数が多いとされる症状です。一般的に乾癬というとこれをいいます。(尋常性とは「普通の、ありふれた」という意味です)。
  • 関節症性乾癬(かんせつしょうせいかんせん)・・・尋常性乾癬と共に関節部位に炎症や変形を引き起こす症状です。皮膚に症状があまり出ないのに、関節の症状だけが進行しているケースもあります。症状は関節リウマチに似ています。
  • 膿疱性乾癬(のうほうせいかんせん)・・・無菌性の膿疱が皮膚内に出現し、長期的なステロイド使用によって引き起こされることがあります。
  • 滴状乾癬(てきじょうかんせん)・・・皮疹は乾癬に似ていますが皮疹の一つ一つが小さいのが特徴です。扁桃炎などの前駆症状後に発症することが多く、若年者の発症傾向が高いといわれます。

尋常性乾癬の症状

皮膚の表皮を作るスピードが通常の10倍ほどになり、通常は28日周期の肌のターンオーバーが3~4日で行われてしまい、過剰な角質化によって白いカサブタ状の湿疹を生じるようになります。(正常な皮膚の場合は、細胞周期は約457時間に対して乾癬部位は37.5時間というスピードで細胞増殖が進む)。

赤い発疹とその上に白色の皮膚上皮が剥がれ落ちた鱗屑(りんせつ)、皮屑(ひせつ)をともなった発疹が現れ、病変部は周りの皮膚よりすこし盛り上がった状態へ移行し、症状が広範囲に及ぶようになります。

頭皮、膝、肘、爪など外部からの刺激が強い部分にできやすく、眼球と口唇以外なら全身どこにでも発疹が出現します。痒み(かゆみ)は発疹のわりには痒みがそれほど強くなかったり、反対に発疹が弱いのに強い痒みが続いたりといった症状に多様性があるのも乾癬の特徴です。症状の部位や強さなどによって多様性のある病態が現れます。

爪にも症状が現れることがありますが、その場合は「爪乾癬」とよばれ、爪が変形したり、割れたり、荒れたりします。この乾癬という皮膚病は、感染病ではないため伝染することはありません。

尋常性乾癬の原因と傾向

  • 人種的には白人に多く、遺伝子的な影響があるといわれています。(まだ詳しくはわかっていません)。
  • 日本での発症頻度はおよそ0.1%ほどで、家族内発症は5%程度だといわれています。
  • 血液検査によってヘルパーT細胞(白血球の一種)が多いことや、Th1の亢進などが問題視されており、なんらかの原因によって免疫異常が起こり、症状を引き起こすと考えられています。
  • ストレス、環境の変化などによって免疫異常が起こり、症状が悪化しやすくなるといわれています。
  • 食生活(主に高脂肪の摂取)によって代謝異常が起こり、免疫バランスが乱れて症状が悪化するケースもあるようです。

尋常性乾癬の治療方法

外用薬

  • 副腎皮質ステロイド外用剤の使用。副作用がおこりやすい部位には弱いステロイドを使用します。
  • ビタミンD3誘導体外用剤(オキサロール群、ドボネックス軟膏、ボンアルファ ハイローションなど)の使用。ただし、まれに高カルシウム血症を起こして急性腎不全を併発する副作用が起こるケースあります。
  • 保湿剤の使用。ワセリン(白色ワセリン、サンホワイトなど)乱れた角質層を保護し整えます。

内服治療

外用治療とともにビタミンA誘導体や免疫抑制剤などの内服治療が適したケースもあります。ただし、それらの薬は深刻な副作用を引き起こす可能性があるため、一般的に長期的には使用できません。血液検査で様子を見ながら、低用量で使用するケースが多いです。

注射薬

乾癬は、TNF-αによる刺激により皮膚のターンオーバーが極端に亢進していることが症状の原因であるため、これを阻害する抗TNF-α抗体の薬が有効です。薬品ではインフリキシマブ(レミケードR)、アダリムマブ(ヒュミラR)などがあります。

光線療法

ソラレンという薬を内服後に紫外線を患部に当てる光線療法が行われています。VTRAC、セラビーム、エキシマライトなどの機器があります。

乾癬の症状は、症状の部位や強さに多様性があり、それぞれの治療法を試していくとなると長い試用期間が必要となることがあります。

尋常性乾癬の日常的な対策

  • 精神的にもストレスを溜めない、睡眠不足にならないようにする。
  • 乾癬患者のヒトは脂肪酸に対する代謝異常が起こっていますので、過食を控えバランスの良い食生活をこころがける。特に脂肪分の摂取を控える。
  • 痛くて辛くても掻いたりしない。できる限り皮膚を清潔に保つようにする。
  • 日光浴が効果があるケースもある。
  • 飲酒や喫煙も避けるべきです。お酒やタバコは皮膚病を改善するビタミン(ビタミンB2、ビタミンB6、ビオチン、ビタミンCなど)を消費させてしまいます。