脂漏性皮膚炎とアトピー性皮膚炎の違い「症状・原因・治療方法」

アトピー性皮膚炎と似た症状の一つに、脂漏性皮膚炎(脂漏性湿疹)という皮膚病があります。この症状は誰にでもおこる可能性がある症状です。

今回の記事は、その脂漏性皮膚炎とアトピーの違いを詳しく解説していきます。

脂漏性皮膚炎とは?

脂漏性皮膚炎とは、顔面や頭部などの皮脂分泌が多い部位にフケのような付着物をともなう湿疹です。脂漏性湿疹とも呼ばれます。左右対称性はなく、痒みがあり、乳児や高齢者にできやすい特徴があります。(乳児と高齢者では症状の出現に違いがみられることもあります)。

脂漏性湿疹の原因とは?

脂漏性湿疹の原因は一つではなく以下のような様々な要因が考えられます。

  • 通常は免疫によって抑制されていた皮膚に存在するカビ(主にマラセチア属真菌)が、皮脂に含まれるトリグリセリドを分解して遊離脂肪酸に変化し、それが皮膚を刺激して接触性皮膚炎を引き起こす。
  • 紫外線や洗顔不足などの不衛生が原因で、皮脂が過酸化脂質に変化し、その過酸化脂質によって肌がダメージを受けたことによる湿疹。
  • ビタミンB2、ビタミンB6、ビオチンの欠乏によって皮膚病ができやすくなる。
  • アルコールや喫煙。(お酒やタバコは大量のビタミンを消費しますし、過酸化脂質の生成を促す活性酸素を大量に発生させてしまいます)。
  • ストレスや糖尿病、肝疾患による免疫異常によって引き起こされることもある。
  • 睡眠不足や慢性的な体調不良によっても引き起こされることある。
  • HIV感染の初期症状として発症する事がある。(エイズによる免疫機能の低下にともなって真菌類が増殖してしまう)。

乳児と高齢者の脂漏性湿疹の違い

乳児の脂漏性湿疹

乳児期は皮脂分泌が多く、免疫が安定していないため強い湿疹が現れることが多い。乳児期を過ぎれば皮脂分泌が少なくなって免疫も安定してくるので、ほとんどのケースでは症状はでなくなりますが、一部ではアトピー性皮膚炎に移行することも少なくありません。

高齢者の脂漏性湿疹

眉毛部・鼻の周囲・口の周囲、頭皮の生え際に湿疹が現れ、乾燥する冬に悪化しやすい。お酒やタバコ、ビタミン不足、ストレスなどが影響していることが多いといわれる。

脂漏性湿疹の検査方法

KOH検査(皮膚真菌検査)によって真菌類の検出量を調べます。

脂漏性湿疹の治療方法

  • イミダゾール系の外用抗真菌薬のケトコゾナールが有効です。(製品名ではニゾラルクリーム、ニゾラルローションなど)。
  • ビタミンB2、B6の内服治療。また、皮膚炎の予防に深く関与するビオチンなどのビタミンB群なども不足しないようにします。
  • 素早く炎症をしずめるためにステロイド外用薬を短期間使用することもあります。
  • かゆみ止めとして抗アレルギー薬・抗ヒスタミン薬がとても有効なケースもあります。(かゆみ止め目的の他に皮膚炎そのものが落ちつくことがあります)。

他にも、お酒、タバコは控え、バランスの良い食事と運動をこころがけます。また、ストレスをためず、睡眠不足にならないようにしましょう。