鉄分の過剰摂取がアトピー性皮膚炎の悪化原因?

アトピー性皮膚炎のような刺激に対して敏感な肌では、食生活のわずかな変化などによって湿疹が悪化してしまうことがあります。

皮膚炎が慢性的になってしまう原因はアレルギー要因だけではなく他にも様々な要因が考えられますが、その一つが鉄分の過剰摂取による慢性湿疹です。

アトピー性皮膚炎、慢性湿疹と鉄過剰について

鉄分の働き、性質

ミネラルとしての鉄は主に赤血球のヘモグロビンの構成成分として酸素の運搬に働き、カラダの各器官に酸素を供給する役割があります。不足するとカラダが酸欠状態になって貧血を起こします。貧血の9割は鉄不足によるものといわれます。鉄分は食品から摂取しても8%前後くらいの吸収率であるため、一般的に不足しやすいミネラルだといわれています。

特に女性の場合は月経(生理)のある時期は毎月出血が起こるので鉄分不足になりやすいといわれています。また、若い世代ほどダイエットによる栄養不足に陥りやすいこともあるようです。男性や初潮、閉経後の女性の場合では、普通の食生活を送っていれば鉄不足に陥ることは少ないです。

鉄の一日の所要量は男性10mg、女性10~12mgとなっていますが、鉄は吸収率が悪いといってもカラダの中で再利用されるので、出血をしない人であれば鉄不足かどうかあまり神経質になることはないと思います。

近年の健康志向で鉄分を過剰摂取している人が増えている

一般的に鉄分は不足しやすいといわれますが、いくつかの要因によってカラダに過剰に蓄積されることもあります。

鉄がカラダに過剰に増える原因

  • 鉄分を多く含むレバーを頻繁に食べている。
  • 積極的に鉄分のサプリメントをとっている。
  • 鉄製の鍋で調理している。
  • ビタミンCのサプリメントをたくさん摂取している。(一日あたり100~300mgくらいなら大丈夫です)。

健康志向によって鉄分を補おうと積極的に摂取していたら、かえって過剰になっているケースも少なくないようです。

鉄には主に動物性食品に含まれる「ヘム鉄」と、主に植物性食品に含まれる「非ヘム鉄」がありますが、ヘム鉄は非ヘム鉄の4倍ほど吸収が良いといわれます。ビタミンCは吸収されにくい「非ヘム鉄」を吸収されやすい「ヘム鉄」にかえる働きがあります。

鉄分を過剰摂取すると活性酸素が発生する

摂取した鉄分は肝臓を中心に骨髄、脾臓、筋肉などに貯蔵鉄として蓄えられ、必要なときに放出されますが、カラダの中に必要以上に鉄が存在すると、カラダのいろいろな部分に蓄積されて、鉄が酸化して大量の活性酸素を生み出してしまいます。その活性酸素が各細胞や組織にダメージを与え、癌や糖尿病などの成人病、老化促進、皮膚病を引き起こすことがあります。

鉄分が過剰な人ほど、ガンを発病する可能性が高いことがわかっています。また、ガンの進行を加速させてしまう要因になることがわかっています。

活性酸素がアトピー性皮膚炎を悪化させる

カラダにたまった過剰な鉄分が活性酸素を生み出し、皮膚病の悪化をまねいている可能性があります。活性酸素の影響によって皮脂の質も悪化し、皮膚に赤み、かゆみ、湿疹などができることもあります。それまで皮膚病にかかった経験がないひとでも、鉄過剰によって脂漏性皮膚炎を起こすケースもあります。アトピーのような敏感肌の人ではちょっとしたカラダの変化によって症状が悪化しやすいため、サプリメントの継続的な摂取には注意が必要です。

鉄過剰がどうかを調べるには?

鉄分が過剰かどうかを調べるには血液検査によって「血清フェリチン」という物質を測定します。通常の血液検査で測定される「血清鉄」では、血清中の鉄分量がわかりますが、「血清フェリチン」では貯蔵鉄の量によって増減します。