ビオチン不足がアトピー性皮膚炎の原因?

アトピー性皮膚炎の多くの原因はアレルギーが起因するといわれていますが、ビタミンが不足することでもアトピー性皮膚炎などの慢性的な皮膚疾患を起こすことがあります。

ビタミンの中でもビオチン(別名:ビタミンB7)は皮膚炎を予防することから発見された水溶性のビタミンで、不足すれば健康的な皮膚が維持できなくなり慢性的な皮膚炎を引き起こすことがあります。

ビオチンとアトピー性皮膚炎の関係

ビオチンの働き

  • たんぱく質の生成に関与して皮膚を作る細胞を活性化させる。
  • 角質や髪、爪などの成分であるケラチンの合成に関与する。(角質層を丈夫にしてバリア機能を高める)。
  • コラーゲンやセラミド(細胞間脂質)などの生合成を高める働き。
  • 抜け毛、脱毛や白髪を予防し、太く丈夫な髪を作る働き。
  • 抗炎症物質を生成し、アレルギー症状を緩和する作用がある。IgE抗体(アレルギー抗体)を下げる働きがある。
  • 骨などの炎症や変形をともなう病気の治癒を促す。

ビオチンは、皮膚を強くする働きやアレルギー症状を緩和する働きがあるため、アトピー性皮膚炎の治療に使う病院もでてきています。また、脂漏性皮膚炎、掌蹠膿疱症の治療にも使用され、他にも様々な皮膚疾患に有効的に働きます。

ビオチンが不足すると引き起こされる症状

ビオチンは肌細胞との関わりが深いビタミンです。不足すると以下のような症状が現れることがあります。

  • アトピー性皮膚炎、掌蹠膿疱症、慢性湿疹、脂漏性皮膚炎、小児湿疹、アレルギー悪化など。
  • 脂肪酸の代謝が阻害されて炎症性物質が多量に産生され、皮膚炎を起こす。
  • 角質層が未熟になり、水分保持が難しくなって肌が乾燥しやすくなる。
  • 湿疹ができ、皮膚病が慢性化する。
  • 脱毛や白髪が増える。
  • 食欲不振、疲労感、憂うつ、筋肉痛、体重減少などの症状。
  • アレルギーの悪化。
  • 合併症として糖尿病を彦起こすことがある。(ビオチンが不足すると膵臓(すいぞう)の機能が低下してインスリンが作られなくなり、糖質の代謝に異常が起こる)。
  • 合併症として関節炎(掌蹠膿疱症性関節炎)を引き起こすことがあります。

ビオチンが不足する原因

ビオチンは食品から摂取するほかに腸内細菌によっても産生されており、通常は不足することはまれだといわれていました。ですが、食生活や腸内細菌のバランスが悪化すれば不足するケースも少なくないことがわかってきています。以下は腸内細菌のバランスが悪化する原因です。

  • 生卵の白身を慢性的に食べていると欠乏症を起こす。(生の卵白に含まれるアビジンがビオチンと強く結合して欠乏症を起こす。卵白に火を通せば大丈夫です)。
  • 慢性的な下痢をしているとビオチンを作り出す腸内細菌が排出されてビオチン不足に陥ります。
  • 抗生物質を長期間服用していた場合も腸内環境が悪化します。
  • 乳製品の過剰摂取はビオチンの吸収を阻害します。
  • 喫煙によるビオチン消費。(タバコにバコに含まれるニコチンを代謝するときにビオチンが消費される)。
  • 飲酒によるビオチン消費。(アルコールを代謝する時にビオチンが大量に消費される)。
  • 食品添加物、人工甘味料、保存料などによる腸内細菌バランスの悪化。
  • 古い油を使った料理、スナック菓子、砂糖が多い甘い食べ物などによっても腸内環境は悪化します。
  • 過食。(脂肪酸に代謝する過程でビオチンが多量に消費される)。
  • 極端な偏食。(極端なダイエットなどによって摂取する食品数や量が少なくなると、ビタミン不足におちいります)。
  • ダラダラ食い。(ダラダラ食いが続くと、腸内細菌のバランスが乱れることがわかっています)。
  • 胃腸不良、消化不良は腸内細菌バランスは悪化します。
  • パン酵母、ビール酵母などの酵母(イースト)が腸内にカビを増加させて腸内環境を悪化させ、アトピーを増悪させることがあります。
  • うまれつき「ビオチニダーゼ」というビオチンの吸収や再利用に関与する酵素の働きが低い。(ビオチン不足に陥っている人ではビオチニダーゼの活性が低下しているといわれています)。
  • 抗けいれん薬や一部の胃薬などを服用しているとビオチンが不足することがあるといわれています。