アトピー性皮膚炎は免疫の過剰反応によって悪化する?

アトピー性皮膚炎はアレルギー体質の人が発症しやすいことから、発症原因の一つにアレルギーが関与しているのではないかといわれています。

アレルギー疾患は免疫が過剰反応することで引き起こされますので、アトピー性皮膚炎においても免疫の過剰反応が要因となっている可能性があります。

免疫の過剰反応とアトピー性皮膚炎

アレルギー疾患とアトピーの関係

日本皮膚科学会によると、アトピー性皮膚炎を発症しやすい人は「気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アトピー性皮膚炎などをもつ傾向があり、IgE抗体(アレルギー抗体)を産生しやすい体質である」と定められています。

アトピーの原因がアレルギーと関連しているとすれば、アレルギーは免疫の過剰反応によって引き起こされるため、関連するアトピー性皮膚炎も免疫の過剰反応によって引き起こされると考えることができます。

ただし、アレルギー反応がみられない場合においてもアトピー性皮膚炎を引き起こすケースも多く、アトピーが純粋なアレルギー疾患であるとは限りません。

リンパ球が産生するアレルギー抗体

リンパ球は白血球の一種で免疫を担い、侵入してきた細菌やウイルスなどの異物(抗原)に対して抗体を作って抗原の活動を阻害し、体を正常に保つ重要な働きがあるのですが、このリンパ球が過剰に活動してしまうと抗体を作りすぎてしまい、必要以上に免疫反応を起こしてしまうようになります。

その過剰免疫反応の一つがアレルギー疾患であり、アトピー性皮膚炎であることも考えられます。リンパ球はリラックスしている時(休息している時)や、夜型の生活をしている時、食事回数が多い場合などに増えやすい傾向があり、それらの影響でリンパ球が増えて免疫バランスを乱し、アレルギー疾患を引き起こすのかもしれません。

リンパ球の活動とアトピー性皮膚炎の関係ははっきりと解明されていませんが、実際に近代化するとともにアレルギー疾患は増加傾向にあり、さらに裕福で過保護で育った子供ほどアトピー性皮膚炎患者が多い事実などから、ライフスタイルがアトピー症状を引き起こす原因になっている可能性があります。

加齢によってアトピーは改善する?

アトピー性皮膚炎は、ほとんど人では思春期を過ぎる頃には症状がでなくなるといわれ、思春期頃に発症、または再発する割合は全人口の1%未満ほどだといわれています。近年では、思春期以降も症状を持ち越す人が増える傾向にありますが、それでも40代以上になってくると劇的に症状が出なくなっていきます。

加齢によってアトピー症状が軽快するのは、年齢を重ねるとリンパ球の活動が低下して抗体を作る機能も低下し、過剰な免疫反応が落ち着いてくるので、アトピー症状そのものがでなくなっていくと考えています。

免疫を強化すると、症状が悪化する?

アトピー性皮膚炎の治療において、「免疫力アップ」などの効果をうたった健康食品や健康法、民間療法をみかけることがありますが、免疫が過剰に反応することでアレルギー反応を起こし、その影響でアトピー性皮膚炎が悪化するのならば、それらの方法は逆効果だと考えられます。「免疫力アップ」というよりも「免疫安定」や「アレルギー反応抑制」などのほうがアトピー改善に効くと思われます。