アトピー性皮膚炎は年齢・加齢によって改善する?

アトピー性皮膚炎は、多因子性疾患といって様々な要因が影響して引き起こされる症状です。

アトピーは慢性的に増悪と寛解を繰り返す傾向がありますが、年齢を重ねるごとに症状は軽くなっていきます。

アトピー性皮膚炎の年代別有病率

アトピー性皮膚炎は幼児期に発病しやすく、1~2歳のアトピー有病率は10~20%といわれています。子供が10人いればそのうちの1~2人が発症することになり、決してまれなケースではありません。また、学童期までにそのうちの多くが治癒するといわれています。

ほとんどが学童期にまでに治癒するアトピー性皮膚炎ですが、近年では思春期以降にも症状を持ち越すケースや、新たに発病するケースなどが増えているといわれています。ただし、思春期以降のアトピー性皮膚炎の有病率は1%程度とされています。

成人になっても症状が続くこともありますが、年齢とともに症状は必ず軽快に向かい、30~40代のアトピー患者になると極端に少なくなり、それ以降になるとアトピー有病者はほとんどいなくなります。

アトピー性皮膚炎は、年齢を重ねるごとに症状が軽快することから、かつてはアトピー性皮膚炎というと「自然によくなる病気」という認識が一般的でしたが、近年では「難病」や「一生治らない」とった間違った認識をもつ人も多いようです。本来、アトピー性皮膚炎は決して治らない病気などではなく、適切に治療をして症状をコントロールしていれば、いつの日か必ず自然寛解していく病気だと思います。

リンパ球とアレルギーの関係について

リンパ球とは?

リンパ球とは、白血球の一種で免疫を担当します。白血球のうち20~40%ほどを占め、リンパ球には大きく分けてB細胞(Bリンパ球)、T細胞(Tリンパ球)、NK細胞(ナチュラルキラー細胞)の3種類あり、それぞれ正常な免疫を維持するために複雑な働きを担います。

体内にウイルスや細菌などの異物(抗原)が侵入してくると、Tリンパ球とBリンパは連携して抗体を作りだし、有害な抗原や腫瘍の活動を阻止します。さらに、体内に侵入した異物(抗原)を記憶するため、同じ抗原が再び侵入してきたときには、記憶に基づいて素早く抗体を作りだして無害化する機能をもちます。

空気中に無数にあるウイルスを吸い込んだとしてもめったに風邪をひいたりしないのはリンパ球が活動しているためであり、このリンパ球の活動がなければ人間は細菌やウイルスに侵されて死んでしまいます。生きるためには必要不可欠であるリンパ球ですが、多すぎてもかえって免疫異常を引き起こすのではないかといわれています。

リンパ球はどんな状態で増加する?

リンパ球は交感神経と副交感神経の2つの自律神経のうち、副交感神経が優位になる状態で増加することがわかっています。副交感神経が優位になる時は、体がリラックスしている時(休息している時)、食事している時、夜間(太陽が沈んで太陽が昇るまで)などです。

通常、活動的になる日中には交感神経が活発になるのですが、ダラダラした生活や間食の多い生活、夜型の生活をしていると副交感神経が優位になりすぎてリンパ球が増加し、アレルギー症状の悪化につながることが考えられます。

アトピー患者は恵まれた環境で育ったり、過保護のお子さんに多く見られることから、ストレスのない満たされた生活がアレルギーやアトピーの症状悪化となっていると考える医師も少なくありません。

加齢によってリンパ球は減少する

リンパ球は活動的になりすぎるとアレルギー抗体を作りすぎてしまう原因になると考えられますが、そのリンパ球は年齢とともに減少していきます。歳をとるほど癌(ガン)などの病気が増えるのもリンパ球が減少することが関連していますが、その反面、アレルギー症状が落ち着いていくことでもあります。20代を過ぎると、ほとんどの人がアトピーが治癒するのはリンパ球の活動が落ち着くからなのかもしれません。