アトピー性皮膚炎を治すには体質改善が必要?

アトピー性皮膚炎は、ほとんどの人は思春期までに症状が出なくなりますが、近年、成人になってもアトピー性皮膚炎が軽快しないケースや、成人になってから発症するケースが増えているといわれています。

アトピー性皮膚炎は、多因子性疾患といって様々な原因によって慢性的に引き起こされる皮膚病であり、標準的なステロイド外用薬による治療をして改善しても再発することがあります。そのため、ステロイド外用薬を中心とした治療と同時に、体質改善などによって悪化要因を取り除いていく努力も必要です。

アトピー性皮膚炎における体質改善方法のほとんどは民間療法であり、アトピービジネスといわれる患者の不安を逆手にとった悪質な業者も多く存在することに注意しましょう。

アトピー性皮膚炎と体質改善について

アトピーは裕福な家庭ほど発症しやすい

アトピー患者は文明国になるほど多くなり、さらに裕福な家庭に多い傾向があるといわれています。そのため、生活習慣や環境などに原因があるのではないかと疑われています。ステロイド外用薬による治療と同時に、悪化原因の可能性があるライフスタイルや環境因子などを改めていく努力も必要です。

リラックス体質がアトピー発症の原因?

人はリラックスすると副交感神経が働き、心拍数の低下、血管の拡張、筋肉の弛緩などを促し休息に向かいます。そのため、副交感神経は主に夜(特に就寝前)に優位に働くのですが、一日のうちに副交感神経が過剰に働き過ぎると、副交感神経下で増加するリンパ球がIgE抗体(アレルギー抗体)を過剰に作るようになってしまいます。副交感神経が優位に働き、免疫が過剰反応することがアトピー性皮膚炎の原因の一つではないかといわれています。

裕福な家庭にアトピー性皮膚炎が多いのも、過保護状態がリラックス体質を生み出し、リンパ球が過剰に増加してIgE抗体が必要以上に反応してしまうことが原因の可能性もあります。

アトピー体質改善に自律神経コントロール

アトピー体質である人は、副交感神経が常に優位に働きやすい多いといわれています。そのため、副交感神経のもとで増えるリンパ球が増加し、リンパ球がIgE抗体(アレルギー抗体)を過剰に作ってしまうことがアトピー性皮膚炎を含むアレルギー疾患の原因だと考えることができます。そこで自律神経をコントロールしてアトピー体質を改善しようという方法をいくつか紹介します。

整体療法

背骨の歪みが自律神経の乱れにあるとして、整体によってアトピー体質の改善を促すという整体療法です。実際にアトピー患者には姿勢が悪い人が多く、背骨の歪みが自律神経を乱してアトピーを悪化させている可能性があるといわれています。

ツボ指圧、針刺激

針刺激や爪もみなどの方法によって自律神経の働きをコントロールしようというものです。爪もみでは薬指の爪の両端を指圧することで交感神経の働きを促します。(交感神経を刺激すると副交感神経の働きが抑えられます)。

呼吸療法

呼吸によって交感神経の緊張を促して副交感神経の緊張を抑え、アトピー体質を改善しようというのが呼吸療法です。長吸短呼(長く吸って短く吐く)の呼吸によって交感神経を緊張させる方法があります。

アロマテラピー

交感神経を刺激するアロマオイルを使用して、アトピー体質を改善しようという方法です。アトピー体質に有効な交感神経を刺激するアロマオイルは、「ローズマリー」「グレープフルーツ」「レモン」などです。反対に副交感神経を刺激するアロマは「ラベンダー」「マジョラム」などです。(アトピー体質の人はラベンダーやマジョラムなどは使用しないようにしましょう。

免疫力を高めれば症状は改善する?

健康食品などにおいて、「免疫力アップ」という効果があることを根拠に、アトピー性皮膚炎においても効果があるなどと宣伝されているのを見かけることがありますが、アトピー性皮膚炎というのは免疫低下というよりも過剰な免疫反応(悪化原因の一つがアレルギー反応)によって引き起こされる疾患であるため、免疫力を高めるということはアレルギー反応を亢進させるということにもなります。

「アレルギー反応を抑える作用(抗アレルギー作用)」などの効果がある食品なら、アトピー改善につながる可能性がありますが、「免疫力を高める」といった食品などでは逆効果だと考えてください。

漢方薬にはアトピー体質改善効果がある?

アトピー性皮膚炎の治療に、主に民間療法として漢方薬による体質改善方法があります。ただし、結論から言うと漢方薬にはステロイド外用剤や抗アレルギー剤などのようなはっきりとした効果はほとんどなく、むしろ漢方薬のみに依存してからかえって症状が悪化したという意見も少なくありません。

以下はアトピー性皮膚炎治療における漢方薬の問題点です。

  • 日本皮膚科学会の調査によると、アトピー性皮膚炎を悪化させた原因の1位は漢方薬のみに頼った治療をしたこと。
  • 漢方薬が皮膚バリア機能やアレルギー症状に対して、どのように作用しているか全くわかっていない。
  • 漢方薬には「自然の薬」という認識があり、安全だと思い込んで薬による副作用が起きても飲み続けてしまうことがある。

漢方薬は人によって合う合わないがあり、軽症の場合では漢方薬が有効な場合もあるようですが、基本的にはステロイド外用薬を中心に抗アレルギー剤などを使用し、漢方薬はその補助療法として使用するという使い方にとどめましょう。

また、漢方薬は長期的に飲み続けないと効果がないと思っている人がいますが、漢方薬といっても他の薬と同じように服用してから数日から2週間ほど経過すれば必ず効果は現れるものなので、1ヶ月ほど服用しても全く効果を実感できない場合は中止すべきです。

アトピーは遺伝(体質)だから治らない?

アトピー素因をもつ人は、家族が気管支喘息や花粉症、アレルギー性鼻炎などの症状をもつことが多く、遺伝的な影響があるといわれています。実際に、家族がなんらかのアレルギー疾患をもっていると、高率でアトピー性皮膚炎を発症しやすいといわれています。また、遺伝的に肌のバリア機能が弱かったり、皮脂分泌が少なく極端な乾燥肌であることが多いです。

ただし、必ずしも遺伝的な影響があるとは限らず、親がアトピー素因を全くもたない子供が重度のアトピー患者であったり、両親ともにアトピー性皮膚炎患者であるのに子供は発症しないケースなど、遺伝が影響ししないケースも多く存在します。

医師の中には、アトピー性皮膚炎というと遺伝(体質)が原因として、ステロイド外用薬による治療以外は治らないと考える人がいますが、決してそんなことはありません。ステロイド外用薬を中心とした治療しながら同時に悪化原因の特定や症状改善方法を提案すべきです。