アトピーと円形脱毛症の関係とは?「アトピー性脱毛症」について

アトピー性皮膚炎の合併症として「アトピー性脱毛症」といわれる脱毛症・円形脱毛症を引き起こすことがあります。

脱毛症の原因の一つにアトピー素因との関連が指摘されており、髪が部分的に抜けるケースから広範囲、または全身に及んで毛が抜け落ちてしまうこともあります。

アトピー性脱毛症について

アトピー性脱毛症とは?

アトピー性脱毛症(アトピー性円形脱毛症)とは、急に髪の毛が円形状に束となって抜け落ちてしまう症状で、はっきりとは解明されていませんが、アトピー素因が関連して、毛に対しての免疫異常によって引き起こされているのではないかといわれています。また、ストレスの影響も考えられます。

性別関係なく引き起こされる症状で、特に10~40歳代にかけて発症しやすい傾向があり、十円玉くらいの面積から重度の場合は全身の毛が抜け落ちてしまうことがあります。また、なかなか治りにくく、再発を起こす傾向もあります。

円形脱毛症とアトピーの関係

一般に、円形脱毛症などの突然の脱毛はアトピーの影響が考えられていますが、実際に円形脱毛症患者の多くがアトピー素因を持つことが確認されています。実際に、両親や兄弟にアトピーやアレルギーをもつ人が発症しやすい傾向があります。

アトピー性の脱毛症はストレスが影響する?

アトピー性脱毛症患者は、発症時に悩みを感じていたことが多いことや、新年度の生活環境が変わる時期に発症する多いことから、ストレスが免疫系のバランス乱して引き起こされるのではないかといわれています。さらに、髪が抜けることが不安や恐怖になりストレスの悪循環につながることがあるため、心のケアが必要です。

アトピー症状は、一人で悩まずに相性の合う医師を探して前向きに治療していきましょう。症状を医師に診せることで精神的にも楽になります。

アトピー性脱毛症・円形脱毛症の治療法

塩化カルプロニウム(商品名:フロジン液)

医療用脱毛症治療薬として「フロジン液」という塩化カルプロニウムが主成分の外用薬が用いられます。塩化カルプロニウムには血管拡張作用があり、外用液を塗布することで頭皮の血管を拡張して血液の流れを促します。その結果、毛乳頭に十分な栄養が行き届き活発化するため、抜け毛防止や発毛促進効果があると考えられています。

ステロイド外用薬、内服薬

アトピー性皮膚炎の治療法と同じように、ステロイド外用薬を用いた治療をします。ストロングクラス以上のステロイドを使用し、場合によってはステロイド内服薬を用いることがあります。ステロイド内服の場合は治療が計画的になり、治療を中止した場合でも症状が悪化する可能性もあります。

アレルギー性の場合は抗アレルギー薬

食物アレルギーやダニ、ホコリ、ハウスダストなどのアレルゲンが原因になっている場合があります。その場合はできるだけ原因を特定して摂取しないようにしますが、アレルゲン除去が不可能は場合はアレルギー反応を抑制する抗アレルギー剤や抗ヒスタミン剤などの内服薬を服用します。

精神安定剤の内服

円形脱毛症の原因がストレスや不眠などの要因が考えられる場合は、精神安定剤が有効です。

漢方薬

円形脱毛症の治療に、漢方薬が用いられることがあります。「柴胡加竜骨牡蠣湯(サイコカリュウコツボレイトウ)」「桂枝加竜骨牡蠣湯(ケイシカリュウコツボレイトウ)」「加味逍遙散(カミショウヨウサン)」「小柴胡湯(ショウサイコトウ)」などの漢方薬が使用されます。

免疫抑制剤

円形脱毛症の治療として、「サイクロスポリン」などの免疫抑制剤が用いられることがあります。ただし、症状をある程度まで改善する効果はありますが、副作用を考慮して実際の治療で使用されることはほとんどありません。

局所免疫療法・SADBE(squaric acid dibutyleater)

SADBE(Squaric Acid Dibutyleater)による局所免疫療法とは、皮膚に意図的に炎症を起こして免疫(Tリンパ球の免疫機能)の過剰反応を分散させ、脱毛の進行を抑制する方法です。治療中は皮膚の炎症を引き起こして痒みがでるため、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬の内服薬やステロイドの外用・内服を併用します。

SADBEは、効果がある場合は1~3ヶ月で発毛が見られ、6~12ヶ月で全体に硬毛が見られます。ただし、中止すると再発することが多いので、継続した治療が必要になります。