アトピー性皮膚炎のかゆみを抑える方法

アトピー性皮膚炎を発症している人の皮膚ではバリア機能が弱いため、容易に異物の侵入を許して免疫反応によって炎症がおきます。そして、かゆみを伝える神経が過剰に働き、じわじわと沸き上がるようなかゆみを感じることがあります。

かゆみを感じると皮膚を掻いてしまうようになり、炎症がさらに悪化するという悪循環を繰り返すこともあります。皮膚が炎症を起こしているときはバリアが弱くて血管も拡張しているためかゆみを感じやすくなり、さらに少し掻いただけでも血や滲出液が出るようになります。

かゆみによって皮膚を掻くとさらに悪化してしまう悪循環につながるため、炎症とともに痒みを素早く抑えることがアトピー治療のポイントです。

アトピー性皮膚炎のかゆみ対策

ステロイド外用薬

アトピー性皮膚炎の標準的な治療法は、ステロイド外用薬を中心とした治療が一般的です。炎症が起きたら素早く適切な種類のステロイド治療を行い、炎症とかゆみを同時に抑制します。ステロイド治療継続によって炎症が治まってくると、しだいに皮膚にバリア機能がでてきます。バリア機能が生まれることで、ステロイドの強さや量を抑えることができます。

抗アレルギー剤

抗アレルギー剤は、アレルギーを引き起こすヒスタミンを抑制するお薬です。抗ヒスタミン作用により皮膚の痒みや炎症を抑え、症状を緩和に導きます。薬を飲むことに抵抗がある人も多いですが、慢性的なかゆみを抑えるために長期にわたって内服している人も少なくありませんし、副作用も眠気が出るといった程度です。現在では眠気をまったく起こしにくいタイプの抗アレルギー剤がたくさん増えています。アレグラ(一般名:フェキソフェナジン)は眠気が現れにくいことで有名です。

抗ヒスタミン薬は基本的に痒みを抑える薬であり、炎症そのものを改善するには通常はステロイド外用薬やタクロリムス軟膏(プロトピック軟膏)を用います。ただし、抗アレルギー剤によって劇的に症状が改善する例も少なくないです。

皮膚を冷やす

かゆみが強くて我満できない場合は、皮膚を冷やすことでかゆみが和らぎます。炎症が起こってる皮膚では血管が拡張しやすいのですが、皮膚を冷やすことで毛細血管が収縮し、痒みを感じる神経が鎮静化してジワジワとしたかゆみが治まります。

リラックスする時間を減らす

アトピー性皮膚炎患者は、リラックスしている時に優位になる副交感神経が過剰に働いて痒みを増していることがあります。副交感神経優位の状態では血管が拡張してかゆみを感じやすくなるため、ホッとしている状態よりも何か作業して集中している時間を増やすようにすると症状が改善されることが多いです。

アトピー性皮膚炎の原因も、副交感神経が過剰に働きすぎる「リラックス体質」がまねいているのではないかという指摘があります。副交感神経が働き過ぎると、リンパ球が増えてIgE抗体(アレルギー抗体)を過剰に作り出し、花粉症やアレルギー性鼻炎などのアレルギー症状を引き起こすことがあるといわれています。

常に爪を短くしておく

アトピー性皮膚炎患者では爪で皮膚を強く掻いてしまうことが悪化の原因になることがあります。特に幼児期まででは無意識に皮膚をひどく掻いてしまうことがあります。症状を悪化させないためにも常に爪を短くしておいたほうがいいと思います。

保湿剤を使う

アトピー性皮膚炎患者は皮脂が少なく皮膚が乾燥しやすい傾向があり、肌の乾燥の影響でかゆみが出るケースもあります。しっかりと炎症が治った段階でかゆみがでる場合は、保湿剤を使うことによって改善することもよくあります。保湿剤は市販されている乾燥性敏感肌向けの保湿剤などでもいいですし、病院では白色ワセリンや亜鉛華軟膏などを処方してもらうこともできます。